
最近、クレジットカード関連の記事やSNSを見ていると、ラグジュアリーカードをすすめる内容をよく見かけるようになりました。
特に、SFCの制度変更やプライオリティ・パスの改悪が話題になっている流れで、「そこでおすすめなのがラグジュアリーカードです」というような文脈を見かけます。
もちろん、ラグジュアリーカード自体は魅力のあるカードだと思います。
金属製カードですし、見た目の高級感もあります。
トラベル特典やホテル優待、コンシェルジュ、ダイニング系の特典などもあります。
ただ、最近の流れで「SFC改悪やプライオリティ・パス改悪の代替としてラグジュアリーカードがおすすめ」という見せ方をされると、個人的には少し疑問が残ります。
あくまで私見ですが、そこは少し整理して考えたほうがよいかなと思っています。
今回はこの件についてお伝えします。
SFC改定とプライオリティ・パス改悪で不安が広がっている
SFCは年間300万円決済が必要になる
まず、最近カード界隈で大きな話題になっているのがSFC改定です。
ANAスーパーフライヤーズカード、いわゆるSFCは、2028年4月以降、SFC PLUSとSFC LITEに分かれる予定です。
年間300万円以上のANAカード・ANA Pay決済を達成すればSFC PLUSとなり、これまでと同じようにANAラウンジやスターアライアンス・ゴールドのステータスを利用できます。
一方で、年間300万円未満の場合はSFC LITEとなり、ANAラウンジは利用できず、スターアライアンスのステータスもゴールドではなくシルバーになります。
これまでのSFCは、一度取得すれば年会費を払い続けることでスターアライアンス・ゴールドを維持できる点が大きな魅力でした。
その前提が変わるため、SFC会員にとってはかなり大きな制度変更です。
プライオリティ・パスも改悪が続いている印象
もう一つ、最近よく話題になるのがプライオリティ・パスです。
以前は、プライオリティ・パスが付帯していれば、空港ラウンジだけでなく、レストランやリフレッシュ施設も利用できるカードがありました。
ただ、ここ数年はカードによって利用条件が変わったり、レストラン利用が対象外になったりするケースが目立っている印象です。
そのため、プライオリティ・パスを目的にカードを選ぶ場合も、以前より慎重に確認する必要があります。
「プライオリティ・パス付き」と書かれていても、ラウンジだけなのか、レストランやスパも対象なのか、同伴者は有料なのか、利用回数に制限はあるのかで価値はかなり変わります。
そうした不安が広がる中で、ラグジュアリーカードをすすめるコンテンツが増えているのだと思います。
ただしラグジュアリーカードでSFCの代替は難しい
航空会社の上級会員資格は基本的に得られない
ラグジュアリーカードを考えるときに、まず整理しておきたいのは、通常のラグジュアリーカードではSFCの代替にはならないという点です。
SFCの大きな価値は、スターアライアンス・ゴールドを維持できることです。
これは単なる空港ラウンジ利用ではありません。
優先チェックイン、優先搭乗、手荷物の優先受け取り、スターアライアンス加盟航空会社利用時のラウンジなど、航空会社の上級会員としてのサービスが使えることに価値があります。
一方で、ラグジュアリーカードは基本的にはクレジットカードの特典です。
プライオリティ・パスやホテル優待、手荷物宅配などはありますが、少なくとも通常のラグジュアリーカードでスターアライアンス・ゴールドに相当するような特典が付くわけではありません。
そのため、「SFCが改悪されたからラグジュアリーカードへ」という流れには、少し違和感があります。
JAL Luxury Cardは例外だが話が別
もちろん、JAL Luxury Cardは少し話が違います。
JAL Luxury Cardであれば、JMBクリスタルのステイタスが得られるなど、航空会社側の特典とつながっています。
また、JAL Luxury Card Limitedであれば、FLY ONポイント付与によってJMBサファイア相当のサービスにつながる案内もあります。
ただ、これはJAL Luxury Cardの話です。
通常のラグジュアリーカードを持てば、SFCやスターアライアンス・ゴールドの代わりになるという話ではありません。
ANAやスターアライアンスを重視している人にとって、ラグジュアリーカードが直接的な代替になるかというと、個人的にはかなり微妙だと思います。
プライオリティ・パス目的ならセゾンプラチナ系もある
一人利用なら年会費面ではセゾン系が強い
ラグジュアリーカードの魅力の一つとして、プライオリティ・パスのプレステージランクが付帯する点があります。
これはたしかに強いです。
特に、レストランやスパも対象になるのであれば、プライオリティ・パス目的で見る価値はあります。
ただ、一人でプライオリティ・パスを使うだけなら、セゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス・カードやセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードも選択肢になります。
これらのカードも、プライオリティ・パスのプレステージプランが無料で申し込めます。
年会費だけを見ると、ラグジュアリーカードのチタンよりもセゾンプラチナ系のほうが安く済む可能性があります。
そのため、単純に「プライオリティ・パスが欲しい」という目的だけでラグジュアリーカードを選ぶ必要があるのかは、少し考えたほうがよいと思います。
ラグジュアリーカードは総合特典で見るカード
ラグジュアリーカードは、プライオリティ・パスだけで評価するカードではないと思います。
ホテル優待、HoteLux、コンシェルジュ、ダイニング、手荷物宅配、金属製カードの所有感など、いろいろな特典を総合的に見て判断するカードです。
このあたりに価値を感じるなら、ラグジュアリーカードを持つ意味はあると思います。
特に、ホテル優待やコンシェルジュをよく使う人であれば、年会費以上の価値を感じる可能性もあります。
ただ、逆に言えば、それらの特典をあまり使わない人が、プライオリティ・パス目的だけで持つには少し重いカードかなとも思います。
カードの格好良さや所有感に価値を感じる人なら別ですが、純粋なコスパで見るなら、他の選択肢と比較したほうがよいです。
ラグジュアリーカード推しには少し疑問もある
本当に最適な提案なのかは分からない
最近のラグジュアリーカード推しを見ていると、少し疑問に感じることがあります。
もちろん、ラグジュアリーカードが悪いカードだと言いたいわけではありません。
むしろ、私自身もHoteluxなどの特典には興味がありますし、カードとしての魅力はあると思っています。
ただ、「SFCが改悪されました」「プライオリティ・パスも改悪されています」「だからラグジュアリーカードがおすすめです」という流れは、少し短絡的に見えます。
SFCの代替として見るなら、航空会社の上級会員資格が得られるかどうかが重要です。
プライオリティ・パス目的なら、年会費や利用条件を比較する必要があります。
その2点を考えると、誰にでもラグジュアリーカードが最適とは言いにくいと思います。
広告や案件の可能性も考えたほうがよい
おそらくですが、ラグジュアリーカードを強くすすめている記事や投稿の中には、広告案件やアフィリエイト目的のものもあるのだと思います。
もちろん、それ自体が悪いわけではありません。
カード会社が宣伝を出すのは普通ですし、メディアやインフルエンサーが案件として紹介することも珍しくありません。
ただ、読む側としては、その情報が本当に中立的な比較なのか、それとも紹介したいカードありきの記事なのかは意識したほうがよいです。
特にクレジットカードは、年会費が高いほど紹介報酬も大きくなりやすいジャンルです。
そのため、やたらと特定のカードだけが推されている場合は、一度冷静に見たほうがよいかなと思います。
私なら目的別に分けて考える
SFCやスターアライアンス・ゴールドを維持したい場合
私の場合、先日公開した記事でお伝えしたようにSFC改定に対する方針としては、基本的に年間300万円決済してSFC PLUSを維持する方向で考えています。
理由はシンプルで、スターアライアンス・ゴールドが必要だからです。
シンガポール航空、タイ国際航空、エバー航空などを使う機会があるため、スターアライアンス・ゴールドを失うのはかなり痛いです。
この目的に対して、通常のラグジュアリーカードは直接的な代替にはなりません。
もちろん、プライオリティ・パスでラウンジに入れる場面はあります。
ただ、航空会社の上級会員資格とは別物です。
そのため、SFCやスターアライアンス・ゴールドを維持したい人は、まずSFC PLUSを維持するか、ANAプラチナやダイヤモンドを目指すか、別の航空会社ステータスを取るかを考えたほうがよいと思います。
プライオリティ・パスだけが目的の場合
プライオリティ・パスだけが目的であれば、ラグジュアリーカード以外の選択肢もあります。
特に一人で利用する場合は、セゾンプラチナ系のカードでも十分という人は多いと思います。
年会費を抑えながらプライオリティ・パスのプレステージプランを持てるなら、それで目的を達成できる可能性があります。
特にセゾンビジネスプラチナであれば、2026年6月10日現在では初年度年会費無料なので、かなりお得に保有できます。
もちろん、レストランやスパの対象範囲、同伴者料金、利用条件などはカードごとに確認が必要です。
ただ、少なくとも「プライオリティ・パスが欲しいからラグジュアリーカード一択」とまでは言えないと思います。
ホテル優待や所有感まで含めるなら検討余地あり
一方で、ラグジュアリーカードのホテル優待やHoteLux、コンシェルジュ、ダイニング特典、金属製カードの所有感に価値を感じるなら、検討する意味はあります。
特にホテル優待をしっかり使える人なら、年会費の一部を回収できる可能性もあります。
このあたりは、アメックス・プラチナやセゾンプラチナ・ビジネス・アメックス、ダイナースなどとも比較したほうがよいところです。
高級カードは、単純な年会費だけで判断するのが難しいです。
自分が実際に使う特典と、使わない特典を分けて考える必要があります。
まとめ:ラグジュアリーカードが悪いのではなく、すすめ方に違和感がある
最近、ラグジュアリーカードの宣伝をよく見かけます。
SFC改定やプライオリティ・パス改悪の流れを考えると、高級カードやトラベル特典に注目が集まるのは自然だと思います。
ただ、個人的には、「そこでラグジュアリーカードがおすすめです」という流れには少し疑問が残ります。
通常のラグジュアリーカードでは、SFCのような航空会社上級会員資格は得られません。
プライオリティ・パス目的であれば、セゾンプラチナ系のほうが年会費面で合う人もいると思います。
そのため、SFC改悪やプライオリティ・パス改悪の代替として、ラグジュアリーカードを単純にすすめるのは少し雑かなと感じます。
もちろん、ラグジュアリーカード自体は魅力のあるカードです。
ホテル優待、HoteLux、コンシェルジュ、ダイニング、所有感などに価値を感じるなら、持つ意味はあると思います。
ただ、本当にお得かどうかは、他の付帯特典も含めて検討したほうがよいです。
少なくとも、広告や案件っぽい記事を見てそのまま申し込むのではなく、自分が何を目的にカードを持つのかを考えたほうがよいかなと思います。
私の場合は、SFC PLUS維持、プライオリティ・パス、ホテル優待をそれぞれ分けて考えます。
SFCの代替はSFC PLUS。
プライオリティ・パス目的ならセゾンプラチナ系も候補。
ホテル優待や所有感まで含めるならラグジュアリーカードも検討。
このくらいに整理しておくのが、今のところ一番しっくりきています。
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